■Q1.「国民」には何が要請されるの?
武力攻撃事態法案
第8条 国民は、国及び国民の安全を確保することの重要性にかんがみ、指定行政機関、地方公共団体又は指定公共機関が対処措置を実施する際は、必要な協力をするよう努めるものとする。■Q2.保管命令、従事命令って何?
自衛隊法
●保管命令 第103条 第16条第1項の規定により自衛隊が出動を命ぜられ、当該自衛隊の行動に係る地域において自衛隊の任務遂行上必要があると認められる場合には、都道府県知事は、長官又は政令で定める者の要請に基き、病院、診療所その他政令で定める施設(以下本条中「施設」という。)を管理し、土地、家屋若しくは物資(以下本条中「土地等」という。)を使用し、物資の生産、集荷、販売、配給、保管若しくは輸送を業とする者に対してその取り扱う物資の保管を命じ、又はこれらの物資を収用することができる。ただし、事態に照らし緊急を要すると認めるときは、長官又は政令で定める者は、都道府県知事に通知した上で、自らこれらの権限を行うことができる。
●業務従事命令 第103条 2 第76条第1項の規定により自衛隊が出動を命ぜられた場合においては、当該自衛隊の行動に係る地域以外の地域においても、都道府県知事は、長官又は政令で定める者の要請に基づき、自衛隊の任務遂行上特に必要があると認めるときは、内閣総理大臣が告示して定めた地域内に限り、施設の管理、土地等の使用若しくは物資の収用を行い、又は取扱物資の保管命令を発し、また、当該地域内にある医療、土木建築工事又は輸送を業とする者に対して、当該地域内においてこれらの者が現に従事している医療、土木建築工事又は輸送の業務と同種の業務で長官又は政令で定める者が指定したものに従事することを命ずることができる。
■Q3.保管命令や業務従事命令にしたがって、損害が出たり、負傷したり、死亡した場合の補償はどうなるの?
自衛隊法改正案
第103条10 都道府県(第一項ただし書の場合にあつては、国)は、第1項から第4項までの規定による処分(第2項の規定による業務従事命令を除く。)が行われたときは、当該処分により通常生ずべき損失を補償しなければならない。(損失補償)
第103条11 都道府県は、第二項の規定による業務従事命令により業務に従事した者に対して、政令で定める基準に従い、その実費を弁償しなければならない。(実費弁償)
第103条12 都道府県は、第2項の規定による業務従事命令により業務に従事した者がそのため死亡し、負傷し、若しくは疾病にかかり、又は障害の状態となつたときは、政令で定めるところにより、その者又はその者の遺族若しくは被扶養者がこれらの原因によつて受ける損害を補償しなければならない。(負傷者、死亡者遺族などへの補償)
■Q4.違反した場合は罰則があるって聞いたけど?
自衛隊法改正案 第124条 第103条第13項(第103条の2第3項において準用する場合を含む)または第14項の規定による立入検査を拒み、妨げ、若しくは忌避し、または同項の規定による報告をせず、若しくは虚偽の報告をしたものは、20万円以下の罰金に処する。(立入検査の拒否、罰金)
第125条 第103条第1項または第2項の規定による取扱物資の保管命令に違反して当該物資を隠匿し、毀棄し、または搬出した者は、6月以下の懲役または30万円以下の罰金に処する。(保管命令違反、懲役、罰金)
第126条 法人の代表者または法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業員が、その法人または人の業務に関し前2条の違反行為をしたときは、行為者を罰するほか、その法人または人に対しても、各本条の罰金刑を科する。((業務従事命令違反、罰金)
■Q5.アメリカの軍隊に対しても「従事命令」って出るの?
日本国の自衛隊とアメリカ合衆国軍隊との間における後方支援、物品又は役務の相互の提供に関する日本国政府とアメリカ合衆国政府との間の協定 1996 条約第4号
第4条 1 いずれか一方の当事国政府が、周辺事態に際して日本国の自衛隊又はアメリカ合衆国軍隊がそれぞれの国の法令に従って行う活動であって、条約の目的の達成に寄与するもののために必要な後方支援、物品又は役務の提供を他方の当事国政府に対してこの協定に基づいて要請する場合には、当該他方の当事国政府は、その権限の範囲内で、要請された後方支援、物品又は役務を提供することができる。
2 この条の規定に基づいて提供される後方支援、物品又は役務は、次に掲げる区分に係るものとする。
食料、水、宿泊、輸送(空輸を含む。)、燃料・油脂・潤滑油、被服、通信、衛生業務、基地支援、保管、施設の利用、部品・構成品、修理・整備及び空港・港湾業務
ご意見、ご感想は、kagurazakakaigi@infoseek.toまでお送りください。
[神楽坂会議トップページ] [今までの勉強会から]